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2013年12月21日土曜日

『茜色の夕日』のチャイム (志村正彦LN 65)

 今日は午前中に甲府を出発し、富士吉田に出かけた。
 御坂トンネルを抜けてすぐに、雪景色の雄大な富士山が広がる。山梨在住で富士を眺めることが多い私にとっても、この峻厳な美を抱く富士になれてしまうことはない。いつも、その姿に圧倒されてしまう。
 吉田の街は、ここ数日の雪や雨模様から脱し、日差しも穏やかで温かい。この週末の三連休から24日にかけて、この地を訪れる志村正彦ファンは多いだろう。この天気が迎え入れてくれるようで、感謝する。

 午後、志村正彦の菩提寺にお参りする。
 彼のお墓には、遠方から来られたのであろう、キャリーバッグを引いたファンと思われる方がお線香をあげられていた。(声をおかけすることはできなかったが、ありがたい気持ちに包まれる)
 しばらく待ち、花を手向ける。伝えたいことを一つだけ伝える。後にも待っている方、帰り道でも同じ目的だと思われる方にお会いする。沢山の方がお墓参りにいらっしゃっている。
  亡くなって4年たつが、彼は人々の心の中でずっと生き続けている。

 夕方5時、菩提寺の近くで、『茜色の夕日』のチャイムを聴く。
 冬のひきしまった空気の感触に、チャイムの音がしみこむ。夏も聴いたのだが、冬の方がこの音色には合うような気がする。
 メロディの純粋な旋律が、空に静かに響く。空気が呼応して澄んでくる。何かを想う。

 『茜色の夕日』のチャイム、単音の旋律は、歌詞の言葉さえ要らないかのように、そこに確かにあり、そこで確かに響いていた。

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