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2013年6月16日日曜日

1万ビューを超えて [諸記]

 この《偶景web》が実質的に始まったのは3月でした。それから100日ほど経ち、10,000ページビューを超える回数、閲覧していただきました。1日平均で100ビューという数字には驚きの感情が先立ちますが、この「志村正彦ライナーノーツ」を書き続けていく、大きな励ましとなっています。「ここはどこ?-物語を読む」を書いている藤谷怜子も同じ想いです。私たちの拙い文を読んでいただいたことに、深く感謝を申し上げます。

 この数字は何よりも、志村正彦に対する、強い、高い、持続的関心の現れです。彼の歌の尽きない魅力について少しでも解明していくために、「考えながら書く」という試行錯誤のスタイルによって、この連載を始めました。志村正彦に対する持続的関心という点において、この《偶景web》の書き手と読み手とは、つながっているのだと考えます。 

 私のような音楽に関するプロフェッショナルな書き手でない者、音楽の業界にも媒体にも無縁な者が、志村正彦という極めて優れた表現者について、書くことができる、そしてその文がそのまま読まれることができる、そのような述論の場が成り立っています。
 《偶景web》以外にも、「Fujifabric International Fan Site」を始めとする様々な場が成立しています。誰もが自由に、志村正彦について、音楽について、語ることができる場。書き手と読み手とは、絶対的なものではなく、その役割を交換しながら、このような場を支えています。

 インターネットという技術と媒体によって可能になったこのような状況に、すでに私たちは慣れてしまい、その意味合いの凄さを忘却しつつありますが、やはりこれは凄いことなのだと改めて感じています。
 もともと現在のパーソナルコンピュータやスマートフォンの起源の一つに、60年代の「カウンターカルチャー(対抗文化)」の思想があります。「ロックミュージック」と「カウンターカルチャー」との強い絆については言うまでもありません。

 支配的な言葉や媒体に対する対抗という意味で、WeblogつまりBlogにも、「ロック」の命脈が尽きることなく流れています。この《偶景web》も、そのような流れの中の小さな渦でありたいと、私たちは考えております。

2 件のコメント:

  1. 一万ビュー、おめでとうございます!
    志村正彦君について書いている様々なブログあれど、鋭い洞察力、分析力、表現力、また文章の奥に流れる正彦君への深い愛情が感じられる偶景webは、秀逸だと感じています。
    それが、トータルビュー数として、表れているのではないでしょうか。

    これからもっともっと、このようなブログやサイトの存在が大切になっていくと思います。そして志村正彦と彼の音楽は、富士吉田の、山梨の、日本の、そして世界の宝に成長していくのだと、信じています。
    これからも同じ思いの下、集結した者同士、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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  2. いつも温かいコメントありがとうございます。

    歌というものは、ただひたすら聴くものであり、それについて語るものではない、というような「ためらい」がなくはないのですが、志村正彦の歌には、そのような「ためらい」を超えて、何か言葉を紡ぎ出させる力があります。

    残念ながら、新譜中心に動いていく音楽メディア等で彼が取り上げられることがほとんどない今、あなたが言われるように、ブログやサイトの存在がますます重要になってくるでしょう。

    これからも、志(「志村」という姓の一字でもありますね)を同じくする者として、志村正彦に関する場を活力あるものにしていきましょう。

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