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2022年10月17日月曜日

ヴァンフォーレ甲府 天皇杯優勝

 優勝が決まった瞬間の想いは、夢でないのか。でも、夢ではなかった。それでも、夢のなかにいるような心持ちがした。一日経った今でもそれが続いている。

 2022年10月16日。日産スタジアムには2万人ほどの甲府サポーターが駆けつけていた。入場時のコレオが素晴らしかった。青と赤の色彩が強烈でしかも美しく、夢のなかの光景のようだった。



 試合開始から、ゴール裏からは凄い音圧の声が出ていた。僕と妻はバックスタンドの1階にいた。声出しは出来ないエリアだったので、コールや歌のリズムに拍手を合わせていた。拍手の音が重々しく響いた。巨大な日産スタジアムはラウンド型の形状なので音が反響する。轟音・爆音のロックを身体で受けとめながら応援するのは、独特の高揚感があった。3時間に及ぶ試合だったが、夢の祝祭の空間にいるようだった。


 想いが駆け巡った。過去から現在に至る出来事。

 J2参入以来、24年ほどサポーターを続けてきた。2000年の19連敗。あの時は苦しかった。そして経営危機を迎えて、甲府存続のための活動を行った。仲間が主宰していたブログに毎日のように書き込みをしていた。とにかく何かを書くことが、甲府のために少しでも役立つかもしれないと考えた。しかし、3年連続最下位とチームは低迷した。

 2002年の大木武(現、熊本監督)就任後、チームは変わった。そして2005年12月10日のJ1昇格。柏サッカー場のゴール裏で応援していた。柏レイソルを6対2で破った。現在まで降格と昇格が合わせて3回。今年はリーグ戦で勝てないことが続き、18位。そのような成績にもかかわらず、天皇杯で勝利したのは、甲府らしいといえば甲府らしい。

 一晩明けて先程、録画をすべて見終わった。スタジアムの追体験というよりも、もう一つの経験をした気分だった。ネットの記事で報道されているように、劇的なあまりに劇的な展開。延長戦後半、山本英臣がPKを与えてしまう。河田晃兵がそのPKを止める。PK戦でも河田がPKをセーブして、最後に山本が決めて勝利。夢の経験が現実の映像によって記憶に変わっていくのだが、やはり、夢のような映像、映画のような決勝戦だ。


 来年はACL(アジア・チャンピオンズリーグ)に出場する。

 ヴァンフォーレ甲府はありえないような物語、夢の物語を創り出す。


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