昨日、甲斐市立竜王図書館で開催中の展示「ROCKな言葉~山梨の風景を編んだ詩人たち~」を見てきた。甲斐市は十数年前に合併して誕生した市。甲府市の西側に位置する。竜王図書館は私の家からは車で10分ほどのところにあるが、今回初めて訪れた。開架式のスペースが広く、オープンな雰囲気の図書館だった。
階段を上がり2階の展示ホールへ。宮沢和史・藤巻亮太・志村正彦のプロフィールと写真のパネル、歌詞のパネルが壁面に飾られている。CDを数枚ずつ入れた展示ケースが二つ。中央の机上に『宮沢和史全歌詞集』『志村正彦詩集』等の著書。感想を記す用紙が置かれていたが、志村正彦についてはメッセージを記入できる特別なノートも用意されていた。
宮沢・藤巻・志村の「歌詞」を紹介する今回の展示は、「歌い手」というよりも「詩人」としての三人に焦点を当てている。図書館らしい視点だが、そのことによって、来館者に彼らの音楽との新たな出会いをつくりだす可能性がある。
山梨では宮沢和史・THE BOOM、藤巻亮太・レミオロメンの知名度が高く、彼らの代表曲を聴いたことがある人は多いだろうが、彼らの「言葉」をあらためてたどり直すことは「再発見」の経験ともなる。志村正彦・フジファブリックについては、残念なことだが宮沢・藤巻ほどは知られていないので、そのまま「発見」の契機となるだろう。
そのような展示を甲斐市立竜王図書館が主催したことは大いに評価される。現実の場において何かをなすことはとても大切なことだから。
ただし、課題もある。歌詞パネルの数が宮沢2点、藤巻3点、志村10点というようにアンバランスなことだ。テーマから考えると、三人の扱いは均等であるべきだろう。(私は志村のファンであるからこそ、なおさらそのように感じた)また、彼らの詩から読みとれる「山梨の風景」について何らかの解説があれば、一般の来館者の関心をより高めることができると思う。甲府の宮沢、御坂の藤巻、吉田の志村という出身地の対比があれば、親しみもわく。
どのようなイベントにも成果と課題がある。課題については次の機会、あるいは別の機会で向き合えばよい。そのことよりも、一人のロックの聴き手として、今回の試みに踏み出した図書館のスタッフの情熱と勇気をたたえたい。
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