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2023年3月22日水曜日

2009 WBCテーマソング『Sugar!!』[志村正彦LN330]

 今日の「2023 WORLD BASEBALL CLASSIC」決勝戦。日本がアメリカを3対2で下して勝利。7戦全勝で3大会ぶり3回目の優勝。野球、ベースボールの素晴らしさを久しぶりに堪能した。

 WBC、というと思い浮かぶのは、志村正彦・フジファブリックの『Sugar!!』。この曲は、「スポーツ専門チャンネルJ SPORTS」の「2009 WBC」中継のテーマソングとなった。

 youtubeで探すと「Jsports WBC2009 ending」という映像が見つかった。志村の声が流れてくると、今日の感動がまた新たなものになってくる。

 



  全力で走れ 全力で走れ 36度5分の体温
  上空で光る 上空で光る 星めがけ

  全力で走れ 全力で走れ 滑走路用意出来てるぜ
  上空で光れ 上空で光れ 遠くまで


 サビの第一連後半の〈上空で光る〉〈星めがけ〉が、第二連後半では〈上空で光れ〉〈遠くまで〉に変わっていく。〈36度5分の体温〉で〈滑走路〉へと、〈全力で走れ〉から〈上空で光れ〉へと、運動が続いていく。

 映像の中でこの歌詞が流れると、この運動の軌跡が、WBCの優勝、上空の彼方で光ることへとつながるように聞こえてくるから不思議だ。


 志村正彦は野球少年だった。「記念写真」の歌詞にはこうある。


  ちっちゃな野球少年が
  校舎の裏へと飛んでったボール 追いかけて走る
  グラブをかかえた少年は
  勢い余ってつまずいて転ぶ すぐに立ち上がる

 

 志村が山日YBS杯山梨県少年野球大会に出場した際の写真入りの記事も残されている。(僕も野球少年だったのでこの大会に参加したことがある。毎朝、小学校のグラウンドで練習をしていたのは良い思い出だ)

 志村日記(2009.9.14)では、〈僕は小さい時からプロ野球の選手になろうと思ってました。しかし、中学3年生の夏、富士急サウンドコニファーというところで民生さんのライブを友達に誘われ観に行きました。ステージで一曲目が始まった瞬間、プロ野球の選手になるという夢は吹っ飛び、音楽家になろうと思いました〉と述べている。


 志村は「OKMusic」のインタビュー(【フジファブリック】OKMusic編集部2009年03月20日)で『Sugar!!』について、〈バンド活動もそうですけど、全力で駆け抜けていくことが、これから必要だなって感じていたからこういう歌詞になったんだと思います〉と語っている。当時、2009年春の時点での志村の心境が伺える。


 プロ野球選手からプロ音楽家へと、志村の〈上空〉の〈光〉は変わっていったが、2009 WBCのテーマソング『Sugar!!』は、志村自身が〈全力で駆け抜けていくこと〉に対する応援ソングでもあったのだろう。


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