2026年3月2日月曜日

目覚めの曲「若者のすべて」CHILL CLASSIC CONCERT[志村正彦LN378]

  一昨日、2月28日の夕方、ヴァンフォーレ甲府と松本山雅の試合「甲信ダービー」を見て帰ってきたときに、妻がたまたまNHKの番組を見ていると「若者のすべて」の字が画面に表示されていることに気づいた。

 番組名を見ると、「所さん!事件ですよ」。「150万円の“安眠の館”にセレブが殺到!?」という特集であった。途中からだったのでNHK ONEで最初から見ることにした。

 この番組では、4人に1人が睡眠に問題を抱える不眠大国の日本で眠ることを促す様々な試みが特集されていた。そのなかの一つが「寝落ちOKのクラシックコンサート」である「CHILL CLASSIC CONCERT」だった。このコンサートでは、上質なオーケストラの音楽をリラックスして気軽に楽しむために、ハンモック、ビーズクッション、リクライニングチェアなどのくつろげる座席が用意され、眠ることもOKである。2021年に始まり、5年間でのべ6万人を動員した。チケットが入手困難な大人気イベントになっている。

 番組では収録された会のプログラムが紹介されていた。

 1 「ロビンソン」       スピッツ
 2 「G線上のアリア」     バッハ
 3 「白日」                  King Gnu
 4 「やさしさに包まれたなら」 松任谷由実
 5 「Summer」        久石譲
 6 「プラネタリウム」     大塚愛
 7 「ただ君に晴れ」         ヨルシカ
 8 「旅路」                   藤井風
 9 「たしかなこと」         小田和正
10「水平線」                 back number
11「怪獣の花唄」           Vaundy
12「115万キロのフィルム」   Official髭男dism
13「オレンジ」               SMAP
14「TSUNAMI」             サザンオールスターズ
15「若者のすべて」       フジファブリック


 編曲担当のピアニスト中山博之さんは、プログラムの中で起承転結を作りその流れの中で入眠の鍵となる曲を用意していると話していた。この日は大塚愛の「プラネタリウム」がその鍵の曲。原曲にない雰囲気を変えるコード、ノスタルジーを感じる和音を入れることがこだわりポイントだった。

 残念ながら、志村正彦作詞作曲の「若者のすべて」の映像や音源が流れることはなかったのだが、「CHILL CLASSIC CONCERT」のWEBに「2025年5月セットリスト&楽曲アレンジ秘話 公開!」という記事があり、次のように紹介されていた。

  

「若者のすべて」
ーこちらは過去にアンコールで大好評だった曲ですね。
まさにコンサートの締めにふさわしい楽曲だと思っています。まるで壮大な“エンディング”のように、今までの演奏を振り返りながら華やかに終わる構成にしています。 


 幸いなことに、YouTubeに2022年開催の第2回公演の1曲として「若者のすべて」のフルヴァージョンが公開されている。

  若者のすべて / CHILL CLASSIC CONCERT -2022 summer-


 

 ハープがイントロを美しく奏でると、弦楽器、管楽器が華麗に続いていく。ドラムの音が入り、〈最後の花火に今年もなったな〉の箇所になると、フルオーケストレーションの素晴らしい演奏と化す。このようなオーケストラ用の編曲を聴くと、「若者のすべて」の音楽そのものの豊かさを味わうことができる。

 また、「若者のすべて」を実際に聴いている(そして眠っている)映像もあったので添付したい。このコンサートの会場の雰囲気が伝わってくる。

   【全国ツアー開催記念 】CHILL CLASSIC CONCERT特別映像を初公開!

     


 

 「若者のすべて」はプログラムの15番目の演奏であることからおそらくコンサート本編の最後の曲だと思われる。この美しく荘厳な演奏が眠りに落ちている聴衆の目を次第に覚ましていく。睡眠から現実への覚醒にふさわしい曲なのだろう。志村正彦は〈すりむいたまま僕はそっと歩き出して〉と歌っている。この作品の歌詞も楽曲も、現実へと〈そっと歩き出し〉ていくことを促している。

 なお、「所さん!事件ですよ」のこの回は3月7日(土)までNHK ONEで視聴可能である。


 この番組の放送日には甲府の小瀬スタジアムでヴァンフォーレ甲府と松本山雅の試合があったのだが、後半の途中で松本の応援から聞き覚えのあるメロディーが流れてきた。フジファブリックの「SUPER!!」だった。作詞:山内総一郎、作曲:山内総一郎・金澤ダイスケ。調べると、松本に新加入したフォワード加藤拓己のチャントだった。〈拓己のゴールちょうだい〉というフレーズになっていた。山梨学院高校出身なので地元局の放送で見たことのある選手だった。体格に恵まれたパワフルなストライカーであり、この日も先発して最前列でゴリゴリと甲府のディファンダーとやり合っていた。「SUPER!!」がチャント曲になった理由は分からないが、出身が山梨学院高校ということがあるのかもしれない。松本は以前、宮沢和史・ザ・ブームの「中央線」を応援歌にしていたことがあった。中央線は松本まで通っているからだろう。

 松本のことはさておき、甲府サポとしては志村正彦の曲を応援ソングがチャントにしてほしいとずっと思っている。「Sugar!!」なんか最高の曲だろう。〈全力で走れ 全力で走れ 36度5分の体温/上空で光る 上空で光る 星めがけ〉は、ヴァンフォーレ甲府のサッカーに合っている歌詞だ。

 試合の方は1対0でVF甲府の勝利だった。今シーズンは8月からの秋冬制への移行のために「明治安田J2・J3百年構想リーグ」という特別な大会を開催している。甲府は開幕4連勝で現在2位にいる。ほんとうに〈上空で光る 星めがけ〉て優勝を目指してほしい。


 志村正彦についての話題がもう一つある。2月22日のテレビ朝日の番組「EIGHT-JAM」の「プロが選ぶ最強サビ歌詞!」特集で、シンガーソングライターのコレサワが2000年以降の12位にフジファブリック「Bye Bye」を選んでいた。テロップには表示されたが、残念ながらこの歌への言及はなかった。それでも、志村の作品がテレビ番組で登場する場合、「若者のすべて」に集中している現状からすると、「Bye Bye」が選ばれたことは率直に嬉しかった。志村正彦には素晴らしい歌がたくさんある。志村のより多くの作品が注目を浴びてほしい。