公演名称

〈太宰治「新樹の言葉」と「走れメロス」 講座・朗読・芝居の会〉の申込

公演概要

日時:2025年11月3日(月、文化の日)開場13:30 開演14:00 終演予定 15:30/会場:こうふ亀屋座 (甲府市丸の内1丁目11-5)/主催:甲府 文と芸の会/料金 無料/要 事前申込・先着90名/内容:第Ⅰ部 講座・朗読 「新樹の言葉」と「走れメロス」講師 小林一之(山梨英和大学特任教授)朗読 エイコ、第Ⅱ部 独り芝居 「走れメロス」俳優 有馬眞胤(劇団四季出身、蜷川幸雄演出作品に20年間参加、一篇の小説を全て覚えて演じます)・下座(三味線)エイコ

申込方法

右下の〈申込フォーム〉から一回につき一名お申し込みできます。記入欄の三つの枠に、 ①名前欄に〈氏名〉②メール欄に〈電子メールアドレス〉③メッセージ欄に〈11月3日公演〉とそれぞれ記入して、送信ボタンをクリックしてください。三つの枠のすべてに記入しないと送信できません(その他、ご要望やご質問がある場合はメッセージ欄にご記入ください)。申し込み後3日以内に受付完了のメールを送信します(3日経ってもこちらからの返信がない場合は、再度、申込フォームの「メッセージ欄」にその旨を書いて送ってください)。 *〈申込フォーム〉での申し込みができない場合やメールアドレスをお持ちでない場合は、チラシ画像に記載の番号へ電話でお申し込みください。 *申込者の皆様のメールアドレスは、本公演に関する事務連絡およびご案内目的のみに利用いたします。本目的以外の用途での利用は一切いたしません。

2023年2月26日日曜日

「黒服の人」―ドラマ「雪女と蟹を食う」[志村正彦LN328]

 昨年の夏から半年ほど「茜色の夕日」について断続的に書いてきた。一月ほど休止したが、このブログを再開したい。冬ももう終わりつつあるが、四季盤シングルの冬盤「銀河」のB面曲「黒服の人」を取り上げる。

 Gino0808の漫画「雪女と蟹を食う」がテレビ東京系「ドラマ24」枠でドラマ化され、2022年7月から9月まで放送された。監督は、内田英治・柴田啓佑・松本優作。このドラマの挿入曲として、志村正彦・フジファブリックの「サボテンレコード」と「黒服の人」が使われたことをネットで知ったが、その回は見逃してしまった。10月からBSテレ東で再放送されたので、第1話から最終12話まで見ることができた。まだ、漫画作品の方は読んでいない。

 「黒服の人」は第9話の冒頭、北(重岡大毅)と雪枝彩女(入山法子)が車で北海道の小樽へ入り、二人が小樽の街を歩く場面で〈遠くに行っても 忘れはしない/何年経っても 忘れはしない〉の部分が流された。時間も25秒ほどで音量も小さかったので、注意しないと聞き逃してしまうようだったが、むしろこの曲にふさわしい演出だったのかもしれない。動画配信サービスで視聴できるが、youtubeにはこの回の予告編がある。



 

 企画・プロデューサーの松本拓氏は〈テーマは「死生観」です〉〈人が生きる意味、そして、人の温かみを感じて頂ける作品に仕上がっていくと思いますし、「生」と「死」という人間の普遍的な要素を表現しながらも、その世界観はとても現代的なものになっていくはずです〉と語っている。確かに、「生」と「死」の要素を中心に、「性」と「愛」の要素も織り込んだ作品である。


 生の行き詰まりからどのようにして自らを解き放ち、自分自身の時を未来へとつなげていくのか。


 その切実なモチーフを、重岡大毅と入山法子の優れた演技と工夫された演出によって描いている。セレブな高級車、赤色のBMW M5と北が着る変わったTシャツとの取り合わせも面白い。東京から北海道までのロードムービーだが、温泉宿や土産物、蟹など美味しそうな食べ物も絡めている。第9話でも小樽運河や旧倉庫、おたる水族館を訪れていて、旅案内風なところもあった。第12話の結末は、ロードムービーの終着点ではなく、新たなロードムービーの始まりである。

 (この項続く)