テレビの民放局を選んでそれとなく見ていたところ、午後11時少し前に確かにオンエアされているのに遭遇した。志村正彦の声が聞こえてきた瞬間、なんだか感情が動くというよりも固まってしまった。少ししてから、この歌が愛されていることを実感した。
youtubeにある公式映像をここに添付しておきたい。
「最後の花火に」志村の声が綺麗に響きはじめる。
雨の中、のん(能年玲奈)ちゃんが雨具を着て、「300円 今ならスマホ代月300円から 300円 LINEモバイル」という声とナレーションが入る。背景に虹が浮かび上がる。「愛と革新。LINE MOBILE」という画面で終わる。(「愛と革新」か、なかなか攻めてるな)
15秒間で流れたのは「最後の花火に今年もなったな/何年経っても思い出してし(まうな)」という箇所だった。
三月まで在職していた高校は、今勤務している大学と高大連携の講座をここ七年ほど続けている。今年は自然ななりゆきで僕も担当することになり、一週間ほど前、高大連携の小論文の授業を行った。前半は論理的な思考のレッスン、後半は『若者のすべて』を聴いて三つの観点を自由に設定して考察するという課題を出した。思考は何かに遭遇して心が動かされることからも始まる。単なる論理の操作ではないことを学んでほしかった。
プロジェクターで映像が流れた瞬間、120人ほどの受講生はすっと静かになり、言葉と音に耳を傾けていた。この曲にはある種の鎮静作用があるようで、その場を静かに穏やかに包み込む。各々、配布したワークシートに言葉を記していた。この歌には聴く者の感覚と思考を触発させる力がある。そのことを今回も再確認した。
真夏のピークの只中の季節、『若者のすべて』が人々のすべての夏に届いていきますように。そんなことを思い浮かべている。
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