ページ

2018年4月1日日曜日

退職

 今日は私事を報告させていただきます。

 昨日3月31日をもって、定年一年前ではあるが退職した。32年間在職し、その半分の16年間を山梨県立甲府城西高等学校で勤務した。
 校訓は「進取創造」である。自由で先進的な校風が僕にはとても合っていた。ここで勤めさせていただくことで、教師として成長することができたと思う。素直にそう書けるのは幸せなことなのだろう。
 1997年設立の総合学科高校で、八つの系列があり開設科目が多い。教師が目標や内容を設定できる学校設定もあり、国語表現系統の科目を中心に、「志村正彦の歌を語り合う」授業を実践してきた。その一端はこのブログでも紹介してきた。

 その経緯を記しておきたい。2010年の春、ある病気で入院手術し、3か月間自宅で療養した。何もすることができずただ回復を待っていたその時期に、志村正彦・フジファブリックを聴き始めた。彼の作品に魅了された。日本語ロックの最高の達成だという確信を持った。
  もともと、宮沢和史(ザ・ブーム)の作品を教材にしていたこともあり、志村正彦の歌詞をテーマにした授業を試みるようになった。授業を取材していただいたり、生徒の作品を富士吉田の志村展で展示していただいたりした。それを契機に貴重な出会いがあった。この場を借りてあらためて感謝を申し上げたい。

 校舎は甲府盆地のほぼ中央にあり、四方の山々がよく見える。北西に八ヶ岳、西に南アルプス、南に富士山。1号館最上階の六階には展望スペースもある。数日前に南側のバルコニーから富士山を撮影した。甲府からの富士山は御坂山系の背後からこのように姿を現す。この日は春霞の富士だった。



 この富士山の風景とフジファブリックとは分かちがたく結びついている。志村正彦の授業をする際に、校舎から見える富士山と何度も対話してきた。

  もう一つ、校舎近くにある満開の桜も撮った。この桜の樹を、春夏秋冬、一年の季節を通して定点観測するように眺めてきた。『桜の季節』にある「桜が枯れる頃」とはどのような風景のことなのか。想像をめぐらし、生徒とともに考えてきた。



 この校舎から見える富士山やこの桜ともお別れである。2011年度から7年間続けた甲府城西高校という場での志村正彦・フジファブリックの授業も終了となる。生徒の皆へ、ほんとうにありがとう。すばらしい経験を分かち合うことができた。

 四月からは新しい勤め先に行きます。「偶景web」はこのまま継続していきますので、よろしくお願いいたします。

0 件のコメント:

コメントを投稿