先月、藤巻はヴァンフォーレ甲府スペシャルクラブサポーターに就任した。2015年にヴァンフォーレ甲府創立50周年を記念してアンセム「ゆらせ」の作詞・作曲を手がけるなど、甲府との関係は深い。彼自身サッカーが好きでフットサルのチームも率いている。
今回のライブは、10月7日「山中湖交流プラザきらら」で開催の音楽フェス「Mt.FUJIMAKI」のプロモーションのためだろう。僕もこのイベントに行く予定だが、その前に最近の彼の歌を聴くことができたのは幸運だった。
空がまだ明るい中、アコースティックギターを抱えて登場。試合開始1時間以上前の時間帯で、チーム成績が振るわずに観客がかなり減少していることもあり、特にメインスタンドの観客の入りは淋しかった。本人もちょっと拍子抜けしたかもしれない。
1曲目はVF甲府アンセム「ゆらせ」。アンセムにしてはかなりテンポが速いこの曲をアコギをかき鳴らして力強く歌った。(選手やサポーターにとって良い声援となったが、試合は完敗だった。審判の不可解な判定もあったが、勝利への執念と貪欲さで町田に負けていた)
2曲目は「Mt.FUJIMAKI2018」テーマソングの『Summer Swing』。初のライブ演奏だと述べていた。
「夏の終わり」を感じさせる曲。季節感があふれる歌詞に初期のレミオロメンを思わせるメロディ。スタジアムのPAを使っているので、音の質が悪くて気の毒だったが、そんなことを気にするでもなく堂々と声を大きく上げて歌いきった。ソロになってから試行錯誤が続いているようだが、この日の彼はどこか吹っ切れた様子で、現在の自分をアピールしていた。耳に入り込んできた歌詞の一節を引用する。
思い出が美しいなんて まるでばかげた蜃気楼
「ばかげた蜃気楼」という喩えは藤巻らしい言い回しだ。明るい屈折感が言葉の底に漂っている。たとえば志村正彦の描く「蜃気楼」(フジファブリック『蜃気楼』)のような混沌とした暗さはない。陰陽という差異を導入するのなら、陽の「蜃気楼」と陰の「蜃気楼」のような隔たりがあると言えるかもしれない。
『Summer Swing』のMVがyoutubeで公開されているので紹介したい。
母校の笛吹高校(正確に言うと彼の母校は石和高校だが、2010年、石和高校と山梨園芸高校が統合されて校名も変わり「山梨県立笛吹高等学校」となった)の終業式での演奏も入っている。山梨のロケーション撮影でいっぱいのミュージックビデオである。
10月7日が楽しみだ。宮沢和史そして山内総一郎や和田唱と一緒にステージに立つのだろうか。そのとき何を歌うのだろうか。
0 件のコメント:
コメントを投稿