ページ

2014年3月23日日曜日

「春の名曲」のオルタナティヴ [志村正彦LN 74]

 4月13日『Live at 富士五湖文化センター 上映會』のチケットを購入することができた。このためにSMAのモバイル会員となって先行予約をしたのが功を奏したようだ。と言うのも、どうやら、PIAの先行予約や一般発売ではほとんど入手できなかったようなのだ。これは複数の知人からの話だ。おそらくSMA会員の先行予約で予定枚数に達してしまったのだろう。あのホールの客席は800ほどで、絶対数が少ないことが原因だが、PIAの先行予約や一般発売で購入しようとした人にとっては残念な結果となってしまった。この上映會の意味合いからして、希望の方は全員入場できることが理想なのだが、準備の問題もあり、色々な制約があったのかもしれない。それでも、先行予約分のキャンセルが出る可能性もあるので、主催者にはそのあたりの情報を迅速に出していただきたい。

 4月13日の上映會まで、あと3週間。満員になることは間違いないようだ。志村正彦に対する根強い人気が確かめられて、率直にうれしい。集う人は、様々な想いを抱えて、上映會までの日々を過ごし、当日を迎える。年度末の忙しい時期だが、その日々がなんだか愛おしく、そして切ない。吉田の桜の開花がいつになるのか、そのこともしきりに気になる。

 一昨日、テレビ朝日『ミュージックステーション』の「春の3時間SP」番組で、「卒業,桜…1万人が選んだ春の名曲ランキング」が特集されていた。たまたま番組欄を見て、ユニコーンとあったのであわてて録画しておいた。あの『すばらしい日々』が50位に位置していた。この歌が「春」の曲なのか、という疑問は残るが、「別離」の歌ではあるので、「春」を想起させるものとしてランキングに入ったのだろう。「名曲」だということには誰も異論があるまい。多くの人と同様に私にとっても、『すばらしい日々』は奥田民生・ユニコーンの最高傑作だ。思いがけないことに、なんと、生演奏もあり、大収穫だった。

 この特番は、10代から60代の男女1万人対象のアンケートで選ばれた昭和・平成の春の名曲ランキング60曲を順に紹介していったが、特に上位の曲は予想通りというか、有名な定番ソングばかりが並んだ。意外だったのは、14位『3月9日』、39位『Sakura』と、ランキングの全60曲中、2曲もレミオロメンが選ばれていたことだ。

 山梨が誇る「三大ロックバンド」(古くさい言い回しだが、現実にそうなのでこの言葉にする)は、ザ・ブーム、レミオロメン、フジファブリックだ。フジファブリック・志村正彦は言うまでもないが、ザ・ブームとレミオロメンも、「山梨」という限定抜きで、広く「日本語のロック」の歴史の中で重要な位置を占める音楽家であることは間違いない。仮に、この三つのバンドが山梨出身でなかった(ドラマーを除くザ・ブームのメンバー、レミオロメンのメンバー、フジファブリックのオリジナルメンバーは「ALL山梨」だ。中学や高校の友人や仲間が結成したことも共通している)、私はその歌詞とサウンドから、この三つのバンドをかなり好きになったと断言できる。現実は山梨出身なのだから、故郷を同じくする者の音楽として、強く支持するようになった。だから、レミオロメンの作品が春の名曲60曲中2曲も入ったことは快挙で、素直に喜びたい。

 それでも、このリストを見るとどうしても、フジファブリックの『桜の季節』は絶対に入るはずはない、という想いにとらわれてしまう。レミオロメンが少しだけ羨ましくなる。最近のロックを愛する若者の間では「名曲」という評価もあるのだろうが、いわゆるヒット曲ではないので、リストに入る可能性はほとんどないが、志村正彦の構築した歌詞の世界が「春の名曲」「卒業・桜の名曲」とは相容れないことが本質としてある。

  フジファブリックは「オルタナティヴ・ロック」に分類されているようだが、『桜の季節』は、その語の本来的な意味の上で、「オルタナティヴ」な価値、「もう一つの、代わりの」というような「相対的な差異」ではなく、ある種の「絶対的な差異」を持つ、「春」の歌、「桜」の歌であり「別離」の歌でもある。これからも、そうあり続けるだろう。

 この歌はひそかに、しかし確実に、これからも聴き続けられるだろう。この歌に魅せられた人にとっては、春の到来、桜の訪れとともに、この歌を想いだし、この歌を反復するだろう。
 「桜が枯れた頃」の風景からのまなざし、志村正彦のまなざしを心の中に刻み込むだろう。   (この項続く)

0 件のコメント:

コメントを投稿