今朝、ある場所で桜の葉が紅葉している光景にしばし見とれていた。
朝の光を浴び、その逆光を透過するようにして、赤と黄色の綴れ織りのような色彩が晴れた空に照り映えている。数本の並木なのだが、個体差があるのか、微妙に色が異なる。赤色に振れるもの、黄色に振れるもの。あざやかなもの、少しくすんでいるもの。「金木犀」の花の色とは随分違うが、これはこれで葉の色、「赤黄色の桜の葉」の風景をなしていた。
秋から冬にかけての季節の澱のようなものが葉に沈むのか、幾分か、葉に黒い影がある。美しいが寂しげでもある。
季語では「桜紅葉、さくらもみじ」と呼ぶそうだ。今は桜紅葉の頃なのか、そんな言葉と共に、あの歌を想い出していた。
その町に くりだしてみるのもいい
桜が枯れた頃 桜が枯れた頃 ( 志村正彦 『桜の季節』 )
この桜紅葉の光景が消え去ると、「桜が枯れた頃」に移り変わるのだろうか。そんなことをぼんやりと考えていた。
この赤黄色の色彩が落葉と共に失われると、桜の葉が枯れた時が到来するのか。それとも、この季節の循環を数十年くりかえした後に、桜が枯れて死んだ時を迎えるのか。桜にどのような時が訪れたのか。
志村正彦の眼差しの果てには、どのような光景が広がっていたのか。なぜ、「桜が枯れた頃」になると、「その町に くりだしてみるのもいい」のか。
今朝の偶景が、いつものなぜをくりかえし問いかけていた。
公演名称
〈太宰治「新樹の言葉」と「走れメロス」 講座・朗読・芝居の会〉の申込
公演概要
日時:2025年11月3日(月、文化の日)開場13:30 開演14:00 終演予定 15:30/会場:こうふ亀屋座 (甲府市丸の内1丁目11-5)/主催:甲府 文と芸の会/料金 無料/要 事前申込・先着90名/内容:第Ⅰ部 講座・朗読 「新樹の言葉」と「走れメロス」講師 小林一之(山梨英和大学特任教授)朗読 エイコ、第Ⅱ部 独り芝居 「走れメロス」俳優 有馬眞胤(劇団四季出身、蜷川幸雄演出作品に20年間参加、一篇の小説を全て覚えて演じます)・下座(三味線)エイコ
申込方法
右下の〈申込フォーム〉から一回につき一名お申し込みできます。記入欄の三つの枠に、 ①名前欄に〈氏名〉②メール欄に〈電子メールアドレス〉③メッセージ欄に〈11月3日公演〉とそれぞれ記入して、送信ボタンをクリックしてください。三つの枠のすべてに記入しないと送信できません(その他、ご要望やご質問がある場合はメッセージ欄にご記入ください)。申し込み後3日以内に受付完了のメールを送信します(3日経ってもこちらからの返信がない場合は、再度、申込フォームの「メッセージ欄」にその旨を書いて送ってください)。
*〈申込フォーム〉での申し込みができない場合やメールアドレスをお持ちでない場合は、チラシ画像に記載の番号へ電話でお申し込みください。
*申込者の皆様のメールアドレスは、本公演に関する事務連絡およびご案内目的のみに利用いたします。本目的以外の用途での利用は一切いたしません。
0 件のコメント:
コメントを投稿