公演名称

〈太宰治「新樹の言葉」と「走れメロス」 講座・朗読・芝居の会〉の申込

公演概要

日時:2025年11月3日(月、文化の日)開場13:30 開演14:00 終演予定 15:30/会場:こうふ亀屋座 (甲府市丸の内1丁目11-5)/主催:甲府 文と芸の会/料金 無料/要 事前申込・先着90名/内容:第Ⅰ部 講座・朗読 「新樹の言葉」と「走れメロス」講師 小林一之(山梨英和大学特任教授)朗読 エイコ、第Ⅱ部 独り芝居 「走れメロス」俳優 有馬眞胤(劇団四季出身、蜷川幸雄演出作品に20年間参加、一篇の小説を全て覚えて演じます)・下座(三味線)エイコ

申込方法

右下の〈申込フォーム〉から一回につき一名お申し込みできます。記入欄の三つの枠に、 ①名前欄に〈氏名〉②メール欄に〈電子メールアドレス〉③メッセージ欄に〈11月3日公演〉とそれぞれ記入して、送信ボタンをクリックしてください。三つの枠のすべてに記入しないと送信できません(その他、ご要望やご質問がある場合はメッセージ欄にご記入ください)。申し込み後3日以内に受付完了のメールを送信します(3日経ってもこちらからの返信がない場合は、再度、申込フォームの「メッセージ欄」にその旨を書いて送ってください)。 *〈申込フォーム〉での申し込みができない場合やメールアドレスをお持ちでない場合は、チラシ画像に記載の番号へ電話でお申し込みください。 *申込者の皆様のメールアドレスは、本公演に関する事務連絡およびご案内目的のみに利用いたします。本目的以外の用途での利用は一切いたしません。

2015年11月19日木曜日

Ryo Hamamoto - the fairest of the seasons、甲府・桜座。

 ここ数日、毎朝、桜の紅葉の変化を眺めていた。

 今朝は昨夜からの雨が上がり、近づく冬の清澄な光があふれていた。あの桜紅葉の樹は、ついにと言うべきなのだろうか、その葉をおおかた地面に落としていた。幾日か続いた冷たい雨に打たれて、葉としての命が尽きた。
 この場所、この桜の樹の下から、富士が望める。盆地のはるか向こう側ではあるが、降雪した白色の部分が増してきた。

 10月に甲府の桜座で開催された「Analogfish & mooolsと行く、巨大丸太転がしツアー2015 甲府 〜MARUTA FES!〜 巨大丸太がやって来た。ゴロ!ゴロ!ゴロ!」。
 三番目に登場したRyo Hamamoto(浜本亮)の映像がyoutubeにupされていることを最近知った。曲は『The Fairest Of The Seasons』。本人が許可した公開とあるので、ここでも紹介させていただく。  

            Ryo Hamamoto - the fairest of the seasons                             

 当日の雰囲気がよく再現されている。youtube音源という制約はあるが、桜座の独特の響きも何となく伝わってくる。MCにあるように、この曲はイントロからやり直した。最後もあんな風に終わり、小さな喝采をあびていた。
 Ryo Hamamotoの声やギターの音色はとても繊細で、透明な広がりがある。5歳から11歳までアメリカで暮らしていたそうで、発音も綺麗。しかし、ステージに上ることへの一種の衒いなのか、どこかもてあましているような感じもして、その対照が愉快だった。

 『The Fairest Of The Seasons』は、Nicoの歌で知られている。The Velvet Undergroundを離れてリリースしたソロ1stの『Chelsea Girl』に収録。ネットで調べると、「Written by Jackson Browne & Greg Copeland」とあった。あのJackson Browneの作とは全く知らなかった(Greg Copelandは彼の高校時代の友人で何曲か共作しているようだ)。70年代のアメリカやカナダのシンガーソングライターはリアルタイムで聴いていた世代なので、Jackson Browneにも親しんでいた。

 Nicoは3rdアルバム『The End...』を学生の頃よく聴いていた。うっすらとした記憶だが、西新宿の輸入レコード屋で手に入れた。ジャケット写真を気に入り、部屋の壁に立て掛けておいた。沈鬱そのものが結晶したようなNicoの声は、出口の見えないような状況にいた二十代前半の日々の感覚にとけこんでいた。

 映像に戻ろう。
 どこか聴き手を、そして歌う自分自身をも突き放しているような印象のあるNicoとは異なり、Ryo Hamamotoの歌はやわらかく聴衆を包み込む。アコースティックギターの美しい音色に、桜座という「箱」も共鳴していた。
 歌詞はこう終わる。

  It's now I know do I stay or do I go
  And it is finally I decide
  That I'll be leaving
  In the fairest of the seasons

 「In the fairest of the seasons」とは「季節の最も美しい時に」あるいは「最も美しい季節に」という意味なのか。それとも別の意味なのか、分からないが、この歌を聴きながら、朝の桜紅葉の光景を想い出した。
 あの桜にとって、季節の最も美しい時とはどのような瞬間だったのか、そんなことを考えた。

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