8月6日放送のTBS『この歌詞が刺さった!グッとフレーズ』第27回で注目したのは、「若者のすべて」の2007年発売当初の売り上げ枚数が約4600枚(オリコン調べ)という数字が示されたことだ。
これは初めて知る数字だった。この点に関してAIのGoogle Geminiに質問した。その回答を示したい。
フジファブリック「若者のすべて」(2007年11月7日発売)のシングルCDは、発売当時はオリコン週間チャートで最高30位を記録しました。(ORICON NEWS)
当時の音楽市場やインディーズからメジャーにかけての推移、またオリコンの週間TOP200圏内への登場週数が3週であったことなどから、発売時の初動売上および当時の累計売上はおよそ数千枚〜1万枚程度(一般的に当時のオリコン30位前後の初動は数千枚規模)と推測されます。
発売当時は大ヒットチャートのトップを飾るような爆発的なセールスを記録したわけではありませんでしたが、その後、多くのアーティストによるカバーや音楽教科書への掲載、CMや映画での起用、そして近年ではストリーミング再生が1億回を突破するなど、時代を越えて日本の「夏の終わりを告げるアンセム」として広く深く愛され続けています。
この回答は〈数千枚〜1万枚程度〉という推測であり、〈約4600枚〉という数字が示されたわけではなかったが、おおむね同程度の数字である。この数字をどう評価するについてはGeminiにさらに質問した。その回答。
当時のインディーズ~ミドル層バンドを取り巻く状況:フジファブリックは2004年にメジャーデビューを果たしていましたが、当時のインディーズおよびミドル層のロックバンドがシングルCDをリリースした際の実態は次のようなものでした。
・プロモーションと流通の限界: 現在のようにサブスクリプションによるバイラルヒット(SNSを起点とした拡散)が存在しない時代、楽曲が広く知られる主要なルートは「ラジオのパワープレイ」「音楽番組」「タイアップ」などに限定されていました。
・固定ファンと一般層のギャップ: ライブ動員力や音楽ファンの間での高い評価(批評的な評価)と、一般大衆によるCDの購買行動が必ずしも直結していませんでした。そのため、コアファン層が発売初週に購入した分が初動のメインとなり、数千枚規模の売上着地となるのが標準的なモデルでした。
このように、「30位前後で数千枚」という数字は、CDパッケージの需要がシュリンクしていた2007年当時の市場構造において、中堅・実力派ロックバンドのシングルが記録する現実的かつ典型的なスケールを示しています。
2007年当時のフジファブリックは、Geminiが言うように〈ライブ動員力や音楽ファンの間での高い評価〉があったが、まだまだ〈コアファン層〉が支持するバンドだったのだろう。約4600枚という当時の数字は妥当なものかもしれない。
さらに、〈近年ではストリーミング再生が1億回を突破する〉という点については次のデータを示した。
達成データ概要
・発表日: 2024年11月20日(オリコン発表)
・対象ランキング: オリコン週間ストリーミングランキング(2024年11月25日付、集計期間:2024年11月11日〜11月17日)
・記録: 累積再生数 100,199,177回(約1億19.9万回)を記録し、自身初となるストリーミング1億回再生を達成。
・週間の状況: 当該週の週間再生数は 764,123回 を記録。
2007年のシングル発売から長きにわたって愛され続け、配信開始以降も多くのリスナーに聴かれ続けたことで、発売から17年を経てストリーミング総再生数1億回の大台に到達しました。
つまり、2007年11月「若者のすべて」リリース時のCD売上枚数の約4600枚だったが、2024年11月にはストリーミング再生回数1億回を超えたことになる。CD売上枚数とストリーミング再生回数は同列では比較できないが、数値として単純化すると4600から100,000,000を超える数に上昇した。現在もさらにその数を伸ばしていることだろう。
志村正彦は、「Talking Rock!」2008年2月号のインタビュー(文・吉川尚宏氏)で、『若者のすべて』について、歌詞のテーマ、制作の過程、リリース後の状況についてこう述べている。
“○○だぜ! オレはオレだぜ!”みたいなことを言うと、今の時代は、微妙だと思うんですよ。だけど、“ないかな/ないよな”という言葉から膨らませると、この曲は化けるかもしれない! そう思って制作を再スタートさせて、精魂込めて作った曲なんだけど………なんていうか……こう……自分の中で、達成感もあるし、ターニングポイントであることには間違いないんです。すべてに気持ちを込めたし、だから、よし!と思ってリリースしたんだけど、結果として、意外と伝わってないというか……正直、その現状に、悔しいものがあるというか…
TBSの番組でも「グッとフレーズ」とされた“ないかな/ないよな”の部分が、この歌詞の中心にあることが分かる。志村はこのフレーズを含む歌詞に達成感を感じ、フジファブリックとしてのターニングポイントとなる曲であると認識していたが、この作品が意外と伝わってない当時の状況に悔しさを抱いていたようである。
2007年11月の「若者のすべて」リリースからすでに19年が経つ。
この年月を振り返ると、当時の志村正彦・フジファブリックのコアファンに加えて、TBS番組の指摘したような大物アーティストたち、ロックやポップスのファン、一般の音楽ファンと多様な聴き手に広がっていった軌跡が見えてくる。要するに、聴き手を限定しない、普遍性のある歌として人々に聴かれ愛されたきた。
そのような意味で時のゆるやかな流れと共にではあるが、やはり、志村自身が確信していたように、「若者のすべて」は志村正彦・フジファブリックのターニングポイントとなった作品である。
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