公演名称

〈太宰治「新樹の言葉」と「走れメロス」 講座・朗読・芝居の会〉の申込

公演概要

日時:2025年11月3日(月、文化の日)開場13:30 開演14:00 終演予定 15:30/会場:こうふ亀屋座 (甲府市丸の内1丁目11-5)/主催:甲府 文と芸の会/料金 無料/要 事前申込・先着90名/内容:第Ⅰ部 講座・朗読 「新樹の言葉」と「走れメロス」講師 小林一之(山梨英和大学特任教授)朗読 エイコ、第Ⅱ部 独り芝居 「走れメロス」俳優 有馬眞胤(劇団四季出身、蜷川幸雄演出作品に20年間参加、一篇の小説を全て覚えて演じます)・下座(三味線)エイコ

申込方法

右下の〈申込フォーム〉から一回につき一名お申し込みできます。記入欄の三つの枠に、 ①名前欄に〈氏名〉②メール欄に〈電子メールアドレス〉③メッセージ欄に〈11月3日公演〉とそれぞれ記入して、送信ボタンをクリックしてください。三つの枠のすべてに記入しないと送信できません(その他、ご要望やご質問がある場合はメッセージ欄にご記入ください)。申し込み後3日以内に受付完了のメールを送信します(3日経ってもこちらからの返信がない場合は、再度、申込フォームの「メッセージ欄」にその旨を書いて送ってください)。 *〈申込フォーム〉での申し込みができない場合やメールアドレスをお持ちでない場合は、チラシ画像に記載の番号へ電話でお申し込みください。 *申込者の皆様のメールアドレスは、本公演に関する事務連絡およびご案内目的のみに利用いたします。本目的以外の用途での利用は一切いたしません。

2016年6月3日金曜日

大西洋、リスボンの街 [ペソア 2]

 昨年の夏、ポルトガルに出かけた。8日間のツアーだった。準備にかける時間がなく、土日と合わせてこの日数が夏季休暇の限度なので、旅行会社の企画が最良の選択となる。成田からフランクフルト経由でリスボンへ。乗り換えに6時間ほど要したので、ホテル到着まで一日近くかかった。ユーラシアの西の果ての国はやはり遠い。

 リスボンに一泊後、ポルト、コインブラなどを訪れ、五日目、ロカ岬を経由してリスボンに戻り、六日目に市街を歩いた。
 旅行の途中で印象深い光景に出会った。しかし、ここはそれを残す場ではないので省くが、ロカ岬(Cabo da Roca)、ユーラシア大陸最西端の岬から見た大西洋の風景は記しておきたい。


ロカ岬から眺める大西洋

 しばらくの間、海を眺めた。水平線はかすかに弧を描いている。ユーラシア大陸の東の果てに住む者として、この風景の果てにアメリカ大陸があり、その果ての果てに、再びユーラシアの極東の地がある、そのような感慨にとらわれた。


カモンイスの碑文
  岬の石碑には、ポルトガルの国民詩人ルイス・デ・カモンイスの叙事詩の一節が刻まれている。

 Onde a terra se acaba e o mar começa
  ここに地終わり海始まる

 この場に立つと、「地」が終わるという感覚が何となく伝わる。「海」は始まるというよりも、海の「果て」がただただ広がっている、その途方もなさを感じる。

 この後、ロカ岬からシントラを経由してリスボンへ。夕方になったが、夏の街はまだまだ明るい。



 エドゥアルド7世公園の展望台から眺める。中央に立つのはポンバル侯爵の像と円柱。その向こう側が中心街。そしてテージョ川。大西洋へと流れていく。
 うす曇りのせいか日差しは強くない。暑さもそれほどでもない。美しい風景が広がる。
 リスボン。フェルナンド・ペソアの街だ。

  ペソアがリスボンを描いた詩を探した。『ポルトガルの海―フェルナンド・ペソア詩選』(池上岑夫訳、彩流社1985/09)の中に、ペソアの異名、アルヴァロ・デ・カンポス (Álvaro de Campos)の詩『Lisbon Revisited (1923)』があった。その一部を、原詩の該当箇所(ネット上のペソア・アーカイブから添付)と共に引いて、この頁を閉じたい。 

Ó céu azul — o mesmo da minha infância —
Eterna verdade vazia e perfeita!
Ó macio Tejo ancestral e mudo,
Pequena verdade onde o céu se reflete!
Ó mágoa revisitada, Lisboa de outrora de hoje!
Nada me dais, nada me tirais, nada sois que eu me sinta.


    青い空—子供の頃とかわらぬ空—
  虚ろにして完璧なる永遠の真実よ
  遠い昔から黙して流れる優しいテージョ川
  空を映す小さな真実よ
  ふたたびおれの訪れた苦悩 昔にかわらぬ現在のリスボンよ
  お前はなにもくれぬ 奪わぬ お前は無なるもの そしてそれこそ
   おれの感じているおれだ
        (   池上岑夫訳 )

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