公演名称

〈太宰治「新樹の言葉」と「走れメロス」 講座・朗読・芝居の会〉の申込

公演概要

日時:2025年11月3日(月、文化の日)開場13:30 開演14:00 終演予定 15:30/会場:こうふ亀屋座 (甲府市丸の内1丁目11-5)/主催:甲府 文と芸の会/料金 無料/要 事前申込・先着90名/内容:第Ⅰ部 講座・朗読 「新樹の言葉」と「走れメロス」講師 小林一之(山梨英和大学特任教授)朗読 エイコ、第Ⅱ部 独り芝居 「走れメロス」俳優 有馬眞胤(劇団四季出身、蜷川幸雄演出作品に20年間参加、一篇の小説を全て覚えて演じます)・下座(三味線)エイコ

申込方法

右下の〈申込フォーム〉から一回につき一名お申し込みできます。記入欄の三つの枠に、 ①名前欄に〈氏名〉②メール欄に〈電子メールアドレス〉③メッセージ欄に〈11月3日公演〉とそれぞれ記入して、送信ボタンをクリックしてください。三つの枠のすべてに記入しないと送信できません(その他、ご要望やご質問がある場合はメッセージ欄にご記入ください)。申し込み後3日以内に受付完了のメールを送信します(3日経ってもこちらからの返信がない場合は、再度、申込フォームの「メッセージ欄」にその旨を書いて送ってください)。 *〈申込フォーム〉での申し込みができない場合やメールアドレスをお持ちでない場合は、チラシ画像に記載の番号へ電話でお申し込みください。 *申込者の皆様のメールアドレスは、本公演に関する事務連絡およびご案内目的のみに利用いたします。本目的以外の用途での利用は一切いたしません。

2023年6月18日日曜日

「青春と一瞬」マカロニえんぴつ

 NHK番組「おかえり音楽室 マカロニえんぴつ はっとり」では、「青春と一瞬」が駿台甲府高校の音楽室で演奏された。はっとりは歌う前に次のように語っていた。


二十歳過ぎてから作って、当時を思い浮かべながら、高校生とかの時の自分を書いた曲ですけど、不思議といつ歌っても今の自分にささる。あの時の情熱をもしかしたら今でも追いかけているのかもしれない、変な話だけど、あの頃の自分にもう一度追いつきたいなっていう思いはあります。

 

 「青春と一瞬」(作詞作曲:はっとり)は2019年3月配信限定シングルとしてリリースされた。ミュージックビデオもYouTubeで公開されたが、オール山梨ロケの映像である。舞鶴城から見た甲府駅北側の街並、中心街の銀座通り、中央線の車窓からの風景、甲府市内を流れる荒川とその橋。見慣れた光景が次々と映し出される。その映像と歌詞を紹介したい。




書いて 消して 悩んで出した定理は
居眠りの午後三時半に見失った
全部ぜんぶ 学んでド忘れしたい
無限の宇宙を自転車で駆け抜ける

語り合ったりたまに泣いたりできるくらいの
すばらしい日々をくれ

つまらない、くだらない退屈だけを愛し抜け
手放すなよ若者、我が物顔で
いつでも僕らに時間が少し足りないのは
青春と一瞬がセットだから

覚えておいて、未来は転がるもの
この場所にずっと前からあるもの
全部ぜんぶ 眩しいね
友よ 声よ 昨日よ 僕自身よ

つまらない、埋まらない退屈だけを愛し抜け
夢が増えればハラが減る、若者であれ
いつでも僕らに時間は少し足りないのだ
青春と一瞬はセットなんだぜ

染まりたいね
使い切っていたい 黄金の色に咲く春
よだれまみれ 出来心の恋も剥き出しで

誰にも僕らのすばらしい日々は奪えない

つまらない、くだらない退屈だけを愛し抜け
手放すなよ若者、我が者顔で
ずっと埋まらないくらいでいい
時間は少し足りないのがいい

青春と一瞬はセットなんだぜ
間違いだらけの正義なんだぜ
風と友に贈る歌だぜ


〈書いて 消して 悩んで出した定理は〉の〈…て〉〈…て〉〈…で〉〈…た〉〈ていり〉という〈て〉音中心の反復。〈手放すなよ若者、我が物顔で〉の〈わかもの〉〈わがもの〉の類似音の反復。〈青春と一瞬はセットなんだぜ〉の〈…しゅん〉〈…しゅん〉の反復。そして〈セット〉は、〈せいしゅんといっしゅん〉の音から〈せ〉〈っ〉〈と〉の音が縮合されたものだろう。このような音の遊びを縦糸にして、〈つまらない、くだらない退屈だけを愛し抜け〉というメッセージが横糸として織り込まれる。

 この歌は「マクドナルド"500円バリューセット"CMソング」として作られた依頼曲である。依頼された曲でも独自の歌詞の世界を作るところは、はっとりの職人芸だ。器用でおそらく生真面目な人なのだろう。


 はっとりは、〈僕が高校生に戻って歌詞を書くというより、25,6という年になって高校時代を俯瞰で見たらどうなるだろう?という、ちょっと達観したような感じで書けた〉とあるインタビューで述べている。

 確かに、〈青春と一瞬はセットなんだぜ〉という言葉は、青春の只中ではなく、ある程度過ぎ去った時間の後で、俯瞰したメタ視点によって見出される時間の認識だ。「おかえり音楽室」での発言によれば、この認識はまだ現在進行形のようだが、ある種の苦さや儚さも込められている。はっとりにとって、〈青春〉は多様な視点と時間から反復される主題なのだろう。


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