このところ土日まで仕事に追われテキストを書く時間がほとんどない。息抜きにyoutubeで遊んでいたところ、King Crimson の『Starless』に遭遇した。2015年来日時の収録らしいが、詳しいことは分からない。公式映像「DGM LIVE」で視聴できるのはありがたい。
演奏メンバーはロバート・フリップ(G・Key)、ジャッコ・ジャクスジク(Vo・G)、メル・コリンズ(Sax・Flute)、トニー・レヴィン(Ba・Chapman Stick)、ギャヴィン・ハリソン(Dr・Perc)、パット・マステロット(Dr・Perc)、ビル・リーフリン(Dr・Perc・Key)のようだ。トリプルドラムの編成はきわめて珍しい。
この曲は、1974年9月発表のアルバム『レッド』(Red)で初めて聴いた。もう45年前のことだ。1973年3月発表の『太陽と戦慄』(Larks' Tongues in Aspic)に驚嘆した僕はこのバンドのファンになっていた。GenesisとKing Crimsonが僕にとってのプログレッシブ・ロックのすべてだった。
1984年4月、五反田簡易保険ホール。2003年4月、長野県松本文化会館。この二回はライブ演奏も聴いた。どちらも昔の話だが、音源とライブ演奏の差異を愉しむのがクリムゾン経験でもある。
すでにこの映像は700万回以上視聴されている。キング・クリムゾンのファンがそれだけいるのは驚きだ。繰り返し聴くことが多いのだろうがそれにしてもすごい回数である。
70歳近いロバート・フリップは相変わらずの演奏だが、全体として穏やかな感じが漂っている。これをどう捉えるかは聴き手の自由だが、様式としても演奏としても完成された音楽がここにはある。
作曲は発表時のメンバー、ロバート・フリップ、ジョン・ウェットン、ビル・ブルーフォード、デヴィッド・クロス。 作詞はリチャード・パーマー・ジェイムス(Richard Palmer-James)。
歌詞を引用したい。
Sundown dazzling day
Gold through my eyes
But my eyes turned within
Only see
Starless and bible black
Ice blue silver sky
Fades into grey
To a grey hope that oh years to be
Starless and bible black
Old friend charity
Cruel twisted smile
And the smile signals emptiness
For me
Starless and bible black
久しぶりに歌を聴き、歌詞を読んだ。以前より色彩感の感触に心が動かされた。リリース時の音源とは2番と3番が入れ代わっている。最近のライブではこの順だが、こちらの方が色彩の変化や時間の経過が浮かび上がる。
外界の色彩の溢れる世界が消えていく。内界の色彩のない世界、「Starless and bible black」へと。ロックの言葉と音楽の到達点の一つには違いない。
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