公演名称

〈太宰治「新樹の言葉」と「走れメロス」 講座・朗読・芝居の会〉の申込

公演概要

日時:2025年11月3日(月、文化の日)開場13:30 開演14:00 終演予定 15:30/会場:こうふ亀屋座 (甲府市丸の内1丁目11-5)/主催:甲府 文と芸の会/料金 無料/要 事前申込・先着90名/内容:第Ⅰ部 講座・朗読 「新樹の言葉」と「走れメロス」講師 小林一之(山梨英和大学特任教授)朗読 エイコ、第Ⅱ部 独り芝居 「走れメロス」俳優 有馬眞胤(劇団四季出身、蜷川幸雄演出作品に20年間参加、一篇の小説を全て覚えて演じます)・下座(三味線)エイコ

申込方法

右下の〈申込フォーム〉から一回につき一名お申し込みできます。記入欄の三つの枠に、 ①名前欄に〈氏名〉②メール欄に〈電子メールアドレス〉③メッセージ欄に〈11月3日公演〉とそれぞれ記入して、送信ボタンをクリックしてください。三つの枠のすべてに記入しないと送信できません(その他、ご要望やご質問がある場合はメッセージ欄にご記入ください)。申し込み後3日以内に受付完了のメールを送信します(3日経ってもこちらからの返信がない場合は、再度、申込フォームの「メッセージ欄」にその旨を書いて送ってください)。 *〈申込フォーム〉での申し込みができない場合やメールアドレスをお持ちでない場合は、チラシ画像に記載の番号へ電話でお申し込みください。 *申込者の皆様のメールアドレスは、本公演に関する事務連絡およびご案内目的のみに利用いたします。本目的以外の用途での利用は一切いたしません。

2016年11月30日水曜日

桜座の夜、歌の散布。

 11月27日、甲府桜座、『Analogfish & mooolsと捲く、芋ケンピ空中散布ツアー2016 ~空中サンプ~、ドローンに詰めるだけ詰め込んで、、秋。』LIVE。このツアーに通い始めて四年目になるが、これまでで最も印象深かった。
 開演前に、メンバーかスタッフの息子さんだろうか、男の子から芋ケンピが一つ渡され、「空中散布」が始まった。(後でmoools酒井泰明も観客一人ひとりに配り歩いた)

 ケンタ&カフカ。佐々木健太郎(Analogfish)とカフカ先生(moools)のデュオ。MCで小淵沢でのレコーディング時の挿話が入る。ケンタの声とカフカの鍵盤の音色がゆるやかに溶け込む。カフカ先生の故郷、北海道礼文島ではソ連の放送が聞こえたそうで、記憶に残る美しいピアノ曲を奏でてくれた。なんだかとても懐かしい時が流れる。

  KETTLES。コイケ、オカヤスによる男女デュオ。ベースレスのロックがどういうものかを堪能できた。ベースの不在は音を尖らせる。尖っているけどにこやかであり繊細でもある。2016年の東京パンクはこういう音なのかもしれない。『何をやっていたんだ』という曲が耳にこびりつく。今まで。

 moools。彼らが登場するだけで桜座の重心が低い方に降りていく。彼らの佇まいがそうさせるのか。有泉充浩のベース、斉藤耕治のドラムス、円熟した音が低く低くうねる。それに反作用するかのように、酒井泰明の声が高く高く言葉を突きあげる。浜本亮のギターは限りなく透明に近い音色。カフカの鍵盤音がさりげなく落ち着きを与えている。彼らを桜座で聴いて四年目になるが、70年代の英米のロックの音、その最上の部分が再現されているように感じる。単なる反復ではなく、mooolsらしいひねりのある現前であるのだが。

 Analogfish。斉藤州一郎のドラムスが桜座に鳴り出す。彼のパルスのようなビートの感覚はこの空間にとてもよく合う。どの曲も素晴らしかったのだが、とりわけ『Nightfever』『夢の中で』『世界は幻』と続いた三曲に圧倒された。

 夜空は年々深さを増し
 いつか僕はのみ込まれてしまうよ
 センターラインはどこにある
 そしてそのどちら側に君は立つ      『Nightfever』     

 誰かの夢の中で暮らしてるような気分
 そんな気分                             『夢の中で』

 べつだん 何不自由も無い
 すりガラスごしに見る 世界が幻だ      『世界は幻』

 制作年代もテーマも異なる三曲だが、この日は、「夜」、「夢」、「幻」とモチーフが絡み合い、つながるように響く(こう書くと三題噺のようでもあるが)。
 「センターラインはどこにある」のか、「誰かの夢の中」か、「すりガラスごし」か。場や人や物。その境界線のこちら側と向こう側、僕らはどこにいるのか。

 なぜだか感情が潤んだ。哀しい寂しいというものではない。冷静であるのだが、心の奥深く何かが呼び起こされる。下岡晃の語り、佐々木健太郎の唄、かけがえのない歌を今ここで聴いているのだという確信があった。

 この夜、桜座で、歌が散布された。Analogfish『Nightfever』の一節で閉じたい。

 nightfeverが覚める頃街は朝の中
 nightfeverが覚める頃君は夢の中



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