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2015年5月24日日曜日
二年の月日を超えて [諸記]
「志村正彦ライナーノーツ[LN]」は、十回に及ぶ武道館ライブのエッセイの連載中に百回を超えた。2012年3月から今日までおよそ二年の間にこの回数となり、ページビューも十万回に達することができた。
もともと志村正彦を巡る出来事、ある種の《偶景》を契機に書き始めることになった。出来事で区切るのなら、2012年12月の富士吉田での同級生による志村正彦展と『若者のすべて』チャイムから、2014年11月のフジファブリック武道館ライブまでの二年間となる。その間、2013年の夏の『茜色の夕日』チャイムやそれを巡るNHKの番組、2014年夏の甲府での志村正彦展もあった。
この二年という時間は非常に濃縮されたものであり、それらの経験を通じて感じたこと考えたことがこのblogの原動力となった。
そのような凝縮された「季節」もある転機を迎えているような気が今している。
武道館ライブをめぐる批評、「声」から描きだされ、「月」で閉じられたエッセイの歩みは、志村正彦は彼の遺した音源の中に「作品」として存在している、という当然で自然であり、自明で明確な地平に辿りついた。だからこそ、今後は、音源の声と言葉にさらに焦点を当てて、読むこと、聴くことを深めていきたい。
「志村正彦LN」は、 漠然とではあるが、少なくともあと二百回ほどは書くべきことがある予感がしている。その航路もほのかには見えている。時間との闘いになるが、これからも書き続けていきたい。
最近は掲載の間隔が以前より空いてしまっている。納得のいくものとなるまで(とりあえずの納得ではあるのだが)、非才ゆえに時間がかかってしまう。武道館ライブについて断続的だが半年を要した。この間、少しだけでも記しておきたい他の事柄があったが、時機を逸してしまった。遡って書くこともできるのではあるが、逸してしまったものをどうするかという課題が浮上してきた。
その解決策として、これからは、断片的なもの、相対的に短いものも、随時、書きとめていくようにしたい。「私」を一つの「まなざし」として設定し、その「私」の前で通り過ぎていくいくものを「声」として語る短い文となるだろう。《偶景》スタイルの短文エッセイ。ある意味では「twitter」に近いものかもしれないが、字数はより長いものとならざるをえない。
このblogは今後、二つの様式のテクスト、「志村正彦LN」を中心とする批評的エッセイ(その全体としても部分としても「連載」となる)と、《偶景》風の短文エッセイとを、ファブリックのように織り交ぜて進んでいく。対象となる作品や出来事、テーマやモチーフもより多様なものとなるだろう。
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