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2020年12月17日木曜日

ジョン・レノン/志村正彦 『Love』[志村正彦LN266]

 JOHN LENNON『Love』のミュージックビデオが「johnlennon」公式チャンネルにある。2003年リリースのDVD『レノン・レジェンド』収録作品の「Ultimate Mix」ヴァージョンである。公園と海辺のシーンは、1971年、ニューヨーク、マンハッタン島の「Battery Park」とスタテン島の「South Beach」で撮影された。この時、ジョンは31歳、ヨーコは38歳。ジョンとヨーコ、二人の「LOVE」の日常を伝えている。 

 


LOVE. (Ultimate Mix, 2020) - John Lennon/Plastic Ono Band (official music video HD)


   LOVE 

 Love is real, real is love

 Love is feeling, feeling love

 Love is wanting to be loved

 Love is touch, touch is love

 Love is reaching, reaching love

 Love is asking to be loved

 Love is you, you and me

 Love is knowing we can be

 Love is free, free is love

 Love is living, living love

 Love is needing to be loved


 written by John Lennon

 vocals and guitar: John Lennon

 piano: Phil Spector

 produced by John Lennon, Yoko Ono & Phil Spector

 from the album 'John Lennon/Plastic Ono Band'


 映像の最後の場面。海辺の波打ち際の光景。二人が各々書いた「JOHN LOVES」「YOKO LOVES」の文字に打ち寄せうる波。文字は消えていくかに見えるが、映像は溶明に転換される。だから、この文字がどうなるのかは分からない。この文字を「Imagine」することが求められているのかもしれない。


 ジョン・レノンが亡くなった1980年に志村正彦は生まれた。


 志村正彦・フジファブリックは、『Love』のカバーを2005年9月30日発売のジョン・レノンへのトリビュート・アルバム『HAPPY BIRTHDAY,JOHN』(東芝EMI)に収録している。また、2009年10月14日発売『LOVE LOVE LOVE』(EMIミュージック・ジャパン)では『I WANT YOU』をカバーしている。

 志村は生涯で二度、ジョン・レノンとザ・ビートルズのカバー曲をリリースしたことになる。どちらも志村ならではの「歌」の世界を作っている。何よりもジョンレノンへのリスペクトが感じられる。

 なかでも僕は、志村が『Love』で「Love is touch」と歌うところにもっとも惹かれる。この歌を何度聴いても、この「Love is touch」に慣れてしまうことがない。いつも何かが心の中で動く。心と体のやわらかいところに触れてくる歌い方だ。


「志村日記」(『東京、音楽、ロックンロール』)でこの音源の制作について述べている。


 JOHN LENNON  2005.09.09

 もう知ってる方も多いと思いますが、フジファブリックはJOHN LENNONトリビュートアルバムに参加しています。今月末の発売ですか。名曲をカバーしてます。いろんなミュージシャンと同じように、ビートルズを聴いて育った僕ですが、まさか自分がJOHNのトリビュートに参加できるなんて夢にも思ってなかったんで、夢心地です。しかもオノ・ヨーコ公認…。

 とはいいつつ、曲はドカンと思い切ったことやりました。JOHNの感じに似せてとか、JOHNの感じでとか、そんなことは恐れ多くてできませんでした。でもかなりいい感じです。

 今回のレコーディングはレコーディングスタッフ、メンバーともに、1980年生まれの人が多かったです。JOHN LENNONの亡くなった年の生まれの人達です。なんか不思議な感じです。あ、今回は久しぶりに片寄さんともやってます。

 とにかくスゴいものが出来ました。


 志村自身も「1980年」という年には特別な想いがあったのだろう。

この歌のライブは『Live at 渋谷公会堂』に収録されている。2006年12月25日、クリスマス一夜限りで渋谷公会堂で行われたライブだ。映像がyoutubeにあった。

 


 志村はアコースティックギターを奏でながら伸びやかに歌っている。しかも静謐で美しい。ここでの「Love is touch」の歌い方は、CD音源と異なり、強いアクセントが込められている。何かに触れようとするかのように。辿りつこうとするかのように。

 今振り返ると、志村正彦のすべての歌は、あまりあからさまに語られることのない「愛」の歌であったようにも思われる。

 


    


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