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2020年2月11日火曜日

映画『イエスタデイ』のジョン・レノン

 今夜2月11日 18:05~18:34、NHK総合の「ひとモノガタリ」という番組で「若者のすべて~失われた世代のあなたへ~」が放送される。志村正彦(フジファブリック)と彼が遺した曲を支えにして生きる人たちをテーマにしたそうだ。昨夜のNHK甲府の「Newsかいドキ」で冒頭が少し紹介されていた。あと数時間後の本放送を待ちたい。

 前回書いた映画『イエスタデイ』でジョン・レノンが登場するシーンがyoutubeにあった。4分ほどの場面である。この映画は昨年10月に公開されたので上映の機会は少なくなってきた。それでも東京、大阪、兵庫などでは2月から3月にかけて上映する映画館もある。ご覧になる予定の方はこの記事はスルーしていただくことにして、今回はその映像を紹介したい。




 この映像だけを取り出すと、まるでこのシーンが中心のようであるが、映画全体からするとあくまで一つの挿話に過ぎない。しかし、前回書いたように、このジョン・レノンのシーンを中心に据える見方もあるだろう。僕はそう見た。ジョンの登場シーンのためにこの映画は作られたのではないかと。それはそうとして、まるで、ジョン・レノン登場シーンとそれ以外のシーンが、パラレルワールドになっているような関係なのだ。『Yesterday』と『Imagine』がパラレルになっているとも言える。

 このシーンをよく見ると、ジョンの家の前の船底を上にして置かれた小舟に「Imagine」と書かれていることに気づく。この船の名は「Imagine」号なのだ。船が逆さまなので文字も逆さまであり、逆さまのパラレルワールドに相応しい。
 ジャックとジョンの次の会話の場面が胸に刻まれる。


 Jack  So good to see you. How old are you?
 John  78.
 Jack  Fantastic! You made it to 78.


 映画『イエスタデイ』のジョン・レノンが78歳まで生き続けていたことは「Fantastic!」以外のなにものでもない。この後で二人はハグをする。映画という虚構の人物と現実の人物の虚構の抱擁のように。

 40歳で亡くなった「ビートルズのジョン・レノン」が存在する世界。
 78歳まで生き続けた「船乗りのジョン・レノン」が存在する世界。
 この二つの世界に対して、もう一つの世界を想像する。
 「ビートルズのジョン・レノン」が78歳まで生き続ける世界。
 僕たちは第三のパラレルワールドを「imagine」することができるだろう。




【付記】 前回の記事について「偶景webを通勤時に読んじゃだめですね(;_;) パラレルワールド... 」と呟いていただきました。(;_;)という顔文字、充分にimagineできました。


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